「五行」と食
  ■ 五行*で身体を調整する
  東洋医学ではさまざまなものに五行を配しています。これをどのように健康回復に用いているかというと、たとえば、〔肺は感情では憂いを支配しており、そのため肺の異常は憂いやすい性格をつくる。また、悲しみすぎると肺に異常を起こす原因となる〕とか、〔肝を患った場合、その薬性の酸・土に当たる薬草や食物を補い摂取する。酸味の梅干やレモンを摂りすぎると、やがて胃を傷め肝そのものにも疲弊してくる〕等々‥‥。
 下表の例のように万物は五行理論によって系統的に分類され、人体の五臓や食材、薬草に及ぶまでに帰結させています。
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*五行思想(ごぎょうしそう) :古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという思想。五行説ともいう。5種類の元素は『互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する』という考えが根底に存在する。



■ 食物・生薬の五行分類
 食物や生薬の五行はあくまでも大まかな性質を理解するためのものと考えるべきです。
重要なことは、生薬の薬能および薬理です。