食と栄養
  ■その時代の食と栄養の問題

 昔の日本の食事は「体に足りないものを摂る」時代でした。そして現代は「摂りすぎて病気になっている」時代です。だから生活習慣病が変化してくるのも当然のことだといえます。

 特に、現代人の食生活は糖質過多になっています。糖質は消化吸収が早く、エネルギーに変換できる時間は1~2時間と早い(たんぱく質は倍の3~4時間)。すなわち、血糖値の上昇も早く、「肥満ホルモン」と言われ脂肪細胞に脂肪をため込む働きがあるインスリンが分泌されることになります。つまり糖質過多の食生活がメタボリックシンドロームを招いているのです。

 また逆に、現代は食べていても栄養不足の人が多いのも事実です。栄養失調というより“栄養バランス失調”
と言えます。量は摂っていても栄養が偏っている証拠です。
 食生活が原因で体調を崩したり症状が出たりして病院に行くと、足りないときには補剤(栄養剤)、摂りすぎたときは瀉剤(しゃざい)で対応されます。
 しかし、いま必要なのは「調整剤」なのです。生薬、特にその中でも上薬中の上薬といわれる霊芝には「双向性調節作用」があり、さらに「温」でも「寒」でもなく「平」にする性質があることは、古典医学書でも明確に記述しています。まさに現代人にとってはより必要性の高い調整剤といえましょう。

 また、食べてよい、食べてはいけないという考え方は江戸時代の話で、「生活習慣を変えよう」「正しい食事療法をしよう」「運動もしよう」を唱え実践しても、病気は減っていない(逆に増えている)のが現状です。
 たとえば、摂取する脂質を減らしてもカロリーを減らしても、メタボリックシンドロームも糖尿病も予防はできません。体重が落ちてもやつれては何にもなりません。もちろん運動不足や不規則な生活も原因としてあげられますが、それよりも日々のストレス
糖質過多の食生活が大きいのです。

 このように、食事と健康に関する基本的なことを間違えていることが実に多いのが現状です。だからこそ、正しい知識を身につけることが重要なのです。