食療部会(Expert committee of Meal medicine)

■食療学

 人体の様々な臓腑・組織・器官には異なった生理機能があり、全てが相互に密接に関連しています。よって中医学では、ある局部の病理変化は、全身の臓腑・気血・陰陽の盛衰と関係があるため、人体の陰陽バランスが崩れると疾病が発生すると考えられています。この陰陽バランスを調えるための飲食療法を「食療学」(または「食治学」)と呼び医療分野として確立されているのです。

 食療部会では、康復医学の見地から食療学における食物や生薬の効能や性質を研究し、生活習慣康復医学法のベースとなる食事と食習慣を訴求しています。

 中国では古代から、「食」に関することを健康と結び付けて重要視してきました。周の時代の様子を記載した書物『周礼天官』に、王室の医師には「食医」・「疾医(内科医)」・「瘍医(外科医)」・「獣医」の4つの区分があることが記されています。
 食医とは、食を通じて健康の維持を図り、病気にさせない食養生、老化遅延の食養生をさせる医師をいいます。医師の中でも食医は王室の配膳を担当する官職で最上位に置かれ、王の体調をみて食材を選び調理していました。
『黄帝内経』の中にも「成人は已病
(いびょう)を治さず、未病を治す」とあります。未病とは病気になる前の状態を言います。ここでも病気になる前に手を打ち身体のコントロールを行うことの重要性を説いているのです。
 中国古代の医師のうち、未病や疾病が進行しないうちに早期診断・予防・治療を施し、また指導できる名医は、「上工
(じょうこう)」と呼ばれています。



生薬と食
「五行」と身体・生薬の対応
基本は、口に入れる食材の安心・安全から
「医食同源」は間違い!?
その時代の食と栄養の問題